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税務調査の原因【名義預金】



 

目次

税務調査の原因【名義預金】

相続税は税金の中でも額が最も大きい申告なので、税務署は「脱税」「申告漏れ」「間違い」等について目を光らせています。

そんな相続税の税務調査の中でも、「9割以上」と言っても良いほど税務調査官が目を光らせているのが、「名義預金」です。

どんなに節税を頑張っても、大きなペナルティを払い全てを帳消しにするどころか、対策をする前よりも多くの税金を支払うことになり、手残りの財産が少なくなってしまうことになります。

名義預金とは?

父母や祖父母が、子や孫などの口座を作り、そこに贈与をしたようにして入金していき作られていく事が多いです。
贈与としては認められず、相続時に、名義預金として相続財産になり、相続税が課税されるというものです。

では、なぜ贈与として認められないのでしょうか?

相続は、被相続人が亡くなった時に、相続人が財産を承継する権利が発生しますが、贈与は贈与者と受贈者が、お互いあげる、貰うという意思があって、初めて成立する契約です。

父母や祖父母が、子や孫が知らない間に口座を作り、いつ、いくらをあげているか分からない状態で、口座にお金を入金していっても、贈与は成立していないということになります。

あくまでも、口座の名義は、子や孫だとしても、実質的な財産の所有者は、父母や祖父母という事です。

税務署が名義預金かを判断するポイント

① 口座の管理を子や孫がしているか

② 届出印は、父母や祖父母と子や孫で違うものを使っているか

③ 口座の届出住所は、子や孫の住所になっているか

④ 110万円を超える贈与をした場合、子や孫が自分で贈与税の申告をしているか

名義預金の調査方法と調査内容

税務調査というと、税務調査官が家に来て、細かくチェックしていくというイメージをお持ちの方が多いと思いますが、税務調査は、家に来る前から始まっています。

被相続人や贈与者などの対象者はもちろんのこと、相続人や贈与者などの関係者の口座の入出金の記録は、事前に確認して来ているのです。

家に来る時点では、証拠は掴んだ状態で来ているのです。

口座の通帳を隠しても意味が無く、むしろ、税務調査官は口座の存在を知っているのに、それを隠すような事をする方が怪しまれます。

どうやって口座を持っている金融機関を調べるかというと、申告書に記載されている金融機関、所得税などの申告書に記載されていた金融機関、納税に使われた金融機関などは、当然簡単に調べがつきます。

そして、この金融機関に照会文書というものを送ります。

照会文書というのは、この口座から振り込みなどをして、お金を移動させている形跡があれば、その口座を教えなさい、という内容です。

この照会文書から取引内容を基に、他の口座を見つけていきます。

そして、大きな入金や出金などがあれば、その内容を調査していきます。

その中で、父母や祖父母の口座から、出金があった日付と、子や孫の口座に入金があった日付が近ければ、すぐにわかってしまいます。

また、入金があった時間が、仕事に行ってる時間など、金融機関に行ける時間帯でない場合は、父母や祖父母が管理しているだろうなという事が想像出来てしまうのです。

また、税務調査官が怪しいと思った事があれば、金融機関にも直接ヒアリングを行います。

その際、金融機関は、名義預金をかばう事はありませんので、名義預金がわかってしまう事になるような内容でも、金融機関は税務調査官に報告を行います。

このように、様々な所から、名義預金がわかってしまうのです。

ちなみに、金融機関の履歴は、過去10年分見る事が出来ます。

また、過去の記録だけでなく、相続後の記録も確認します。

入るはずの収入が入っていないような事があれば、お金の流れに怪しい点が出てきますので、漏らさず調査していくのです。

このように、過去から相続後まで、税務調査官は隅々まで確認していきますので、安易に名義預金をしようとすると、簡単にわかって、大きなペナルティを払う事になります。

税務調査官にいかにわからないようにするのを考えるのではなく、正攻法な相続対策を行いましょう。

名義預金をリセットする方法

① 口座を本人に管理させ、適法な贈与をする

② 名義預金の口座から、父母や祖父母の口座にお金を戻し、その後、適法に贈与をする

③ 相続税申告をする

正しい贈与のやり方

① 贈与契約書を作る

② 贈与税の申告書の提出

③ 贈与が現金だった場合、振り込みで贈与を行う

効果的に贈与を行う対策

名義預金の原因となる相続税の節税はしたいけれど、若いうちに大きなお金を渡して金銭感覚を狂わせたくないということをカバーする対策。

① 生命保険を使う方法

父から毎年110万ずつ贈与を行い、その110万を生命保険料の支払い原資にして、生命保険に加入します。

契約者(子)、被保険者(父)、受取人(子)という形で加入します。

そうすると子は贈与で110万は受け取りますが、保険料としてすぐに払ってしまうので、手元には残りません。

その保険料として払っていくお金は、被保険者である父が亡くなった時に受け取る保険金として受け取らないと自由に使えるお金ではなくなります。

厳密にいえば途中解約もできますし、貯まった解約返戻金として、お金を借りることもできます。

しかし、形式的に被保険者である父が亡くなった時しか、お金が使えない仕組みができます。

このように贈与と生命保険を組み合わせて使う人が多いです。

② 目的の用途でしか使えなくする方法

「住宅取得資金の贈与」の特例を使う

自宅を購入したり建てたりする場合に、父母や祖父母などの直系尊属から購入費や建築費等の金銭の贈与を受けた場合には、一定の条件を満たすと、最高1,000万まで非課税になる制度。

大きな額を一括で贈与でき、住宅取得の為でしか、お金を使うことができませんので、無駄遣いされる心配もなくなります。

「教育資金の一括贈与」の特例を使う

30歳未満の子や孫などが父母や祖父母などの直系尊属から教育資金に充てるためのお金の贈与を一定の手続きを経て行った場合は1,500万まで非課税になる制度。

取扱い金融機関に一括でお金を預けて、必要な都度引き出していくというのが特徴です。

こちらも教育資金でしか使えないので、無駄遣いがなくなります。

贈与者の相続税の課税価格の合計額が5億以下で、受贈者がまだ若く節税対策として使いたい時や教育資金にしかお金を使わせない仕組みとして使いたい人には利用する価値があります。

また、この制度は贈与者が亡くなっても利用できる制度です。

教育資金の一括贈与と似た制度で、「結婚資金子育て資金の一括贈与」がありますが、こちらは贈与者が亡くなると使い切らなかった残額を相続財産に組み入れる必要がありますので、あまり使われておりません。

一番節税できる贈与額を贈与する

生前贈与をする前の相続税と生前贈与をした後の相続税・贈与税を計算し、それを比較し、贈与額を計算した中から一番低い相続税と贈与税を探し出します。

それが一番節税できる贈与額となります。

この時に気を付けるポイントは、相続税を考える時、夫婦の場合は夫婦の相続税の合計額で考えないと意味がないのです。

夫婦の場合は先に亡くなるのを「一時相続」、後に亡くなるのを「二次相続」と言いますが、「一時相続」の時に配偶者がどれだけ受け取るのかという配分で、夫婦の相続税の合計額が約2倍変わることになります。

生前贈与をする前の「一時相続税」・「二次相続税と生前贈与」と生前贈与をした後の「一次相続税」・「二次相続税・贈与税」を比べて一番節税できる額を探していきます。

その際には、贈与額だけでなく二次相続が最適になる「一時相続」の配偶者の取得割合も算出します。

夫婦の相続税額の合計額が最小値になる額を探して、一時相続の時に配偶者が取得する割合を検証していきます。

これらの計算は一般の人では難解な計算ですので、資産税に詳しい税理士等にご相談されることをお勧めします。

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